クランク長さについて思うのは長すぎるクランクは全く役に立たないということである。

173cmの私が用途別に選定したのは140,150,160mmクランクである。
この3種類あればあとは必要なし。165mmクランクは長すぎると感じるようになった。

フレームスケルトンにもその時代の流行のようなものもあるが、普遍的な部分もある。しかしながら、本気でフレームスケルトンの開発をした人が今までいなかったようである。

私がフレームスケルトン、いわゆる新ショートクランク理論の開発を始めたのが1995年であるから、今年で24年になる。最初は実践あるのみだったが、ここにきて段々今まで分からなかったことが分かるようになってきた。

平地走行では140mmクランクのスムーズなペダリングに敵うものはない。しかし、アップダウン走行には150mmクランク、ヒルクライムには160mmクランクが良さそうである。クランク長さというと、身長や股下に比例すると思ってきたがどうも違うようである。クランク長さの常識は間違っている。

クランク長さを議論する時、同一フレームスケルトンで比較してはいけないことが分かった。それぞれのクランク長さにはそれに最適なフレームスケルトンがある。140mm用スケルトンと160mm用スケルトンでは全く別物であることは、多分誰も今まで気が付かなかったのだろう。
あまりにも競技用自転車の理論で全ての車種をカバーしようと無理していたのである。
また、できるだけ大きな車輪径の自転車に乗りたい・乗せたいという願望が間違った道を選んでしまったのかもしれない。スローピングフレームがそれに拍車をかけてしまった。フレームサイズさえ小さくすればいいという自転車開発者視線で見たらとんでもない設計を平気でやってしまっている。

今回面白いと思ったのは、140mmクランクの場合は20X1.5HE、150mmクランクの場合は26X1.25HE、160mmクランクの場合は650X32Bのように、ショートクランクほどホイール径が小さいのである。先にホイール径を決めてしまったらまとまらなくなってしまう。

以上のことは、限られた人力パワーをいかに効率よく出力させるかという追求があったからこそ分かってきた。自転車設計の根本問題にかかわる部分である。電動アシスト車を開発している人には全く分からない世界である。