歴史的に記録に残っているのは、人間が定住したのは1830年。

太平洋戦争でアメリカ占領下となったが、1968年に返還された。
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人類史は190年にも満たない、人間にとっては世界一新しい居住地だ。
しかし、島の生態系は長い間外部からの侵入がなかったので守られていた。
その生態系を崩すのはやはり人間である。野猫や野やぎの問題もあるのだが、一番の邪魔者は人間だ。

父島の人口は2200人、母島の人口は480人、こんな孤島にもかかわらず人間が多い。

母島では、人間を拒絶する雰囲気を感じた。車道は15%クラスのアップダウンが続く超ハードコースであり、年間通して自転車で訪れる人は数えるほどしかいないという。母島には見えないバリヤーがある。人間が入り込んではいけない領域がある。ガイドを付けないと侵入できないところもあるのだが、私はガイドなしでフリーエリアだけお邪魔してきた。
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天気は曇り時々雨で、あいにくきれいな海の色には恵まれなかったが、それでも大満足だった。
日差しが出ると、強力な紫外線を浴びるため、自転車に乗るには曇りがちょうどいい。

いろんな野鳥の声が聞こえる。オートバイや車では味わえない、自転車ならではの特権が沢山ある。
ここの野鳥は人間がかなり接近しても逃げない。ただ、カメラを向けると逃げてしまう。

アカガシラカラスバトという固有種は絶滅の危機に瀕していると聞いたが運よく父島でじっくり見ることができた。地元の人には想定外なところで私は出会ったのである。

もし、飛行場ができていたら世界遺産にはならなかったかもしれない。船で片道24時間だから行ける人は限られてくる。マナーを知らない人たちには絶対行ってほしくない。

アオウミガメも沢山見ることができた。今、産卵期に入っている。
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鼻を海面に出して、「スハッ!」という呼吸音が何とも言えない。
残酷なようだが、ウミガメの刺身や亀煮なども食べてきた。

小笠原諸島は大陸とは完全に切り離されているので、海を遥々渡ってきた生物たちの楽園なのだ。
ガラスの生態系と言われている小笠原の自然を守るため、多くの人が多大な努力をしていることも知った。私の遠い親戚が父島で家族で暮らしている。彼はNPO小笠原自然文化研究所の副理事長を務めていた。野猫対策でフェンスを張ったり、罠を仕掛けたりすさまじい努力をしてガラスの生態系を維持している。そんな生の声を聞くことができて、小笠原に来てよかったと思う。