最近は、サイクルスポーツばかりで、シクロツーリズムは少ない。

旅する自転車はインドア化してしまい、シクロツーリストはめっきり減ってしまったような気がする。

旅はソロでないと成り立たない。2人以上では脱日常は難しい。1980年代は私にとってはシクロツーリスト全盛時代。野宿やキャンプは当たり前だったし、自炊道具を持ち歩き飯を炊きながら旅をつづけた。

1980年代はまだインターネットも普及しておらず、現地の情報も少なかった。現在は情報があふれ、どこにでもコンビニや自販機があり、便利になった分楽しみも減ってしまったように思う。

2006年~2007年は中国で生活し、ピストで田舎町を旅した。現地で購入した地図は全くあてにならず、あるはずの道がなく、地図に載っていない道が多かった。ピストと旅は相反するようにも思えるが、平地の多い中国ではピストでの高速移動が楽しかった。
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中国は都市と田舎の経済格差が大きく田舎に行くと昭和30年代にタイムスリップしてしまう。
ピストでは巡航速度35km/h以上をキープでき、バッテリースクーターの波を蹴散らして走っていた。それでも、それはサイクルスポーツではなくシクロツーリズムであった。

今や自転車はスポーツグッズと化し、コマーシャリズムに洗脳された自転車乗りであふれている。
私は、クロモリ・ホリゾンタルフレームにこだわり、ドロップバーを卒業しブルホーンバーを取り付けランバーサポートも取り付けて、危険がいっぱいの中国の道をかっ飛んでいた。

あれから12年の歳月が流れ、私は自転車開発のため再び大陸に渡ろうとしている。
私にとって自転車はスポーツではない。開発・設計・組み立て・走行・旅全てを楽しめる道楽である。