フレーム設計にはこうしなければならないというものはない。
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しかし、頭の中で同時多発的に処理しなければならないものが出てきたりする。そういうものは、やはり積み重ねた設計経験がとても重要で、基本的なスケルトンは一瞬で決まってしまうと言ってもいい。

一番、時間がかかるのが強度のバランスと、デザインバランス的なもののような気がする。

ホリゾンタルフレームであれば、それほど時間はかからないが、ホリゾンタルでは成立しないフレームの場合、なかなか決まらない場合が多い。わたしは、スローピングフレームのような安易なデザインはやらない。必ず、バランスというものを大切にする。フレーム強度は三角形の組み合わせで決まってくる。


偶然なのか分からないが、決まってフォークオフセットは70mmになる。私は、トレールでフロントアライメントを決定しない。どうもトレール理論というのは間違った理論だというのが私の考え。

いろんな意味で、いろんな設計の指標なり黄金比的なものがある。それらは、他人から聞いたものではなく、自分で拾い上げたデータに基づいている。しかしながら、実際に作ってみないと分からない部分も多く、そういうものが多いほどフレームが出来上がるのが楽しみになる。

日本のフレームビルダーは世界一だと思う。特にLEVELのフレームは神業である。芯出しは力づくでやったりはしない。火であぶって芯を出すというビックリする技術を持つ。

自転車づくりの中で一番面白いのがフレーム設計で2番目がホイール組だろうか。
私のフレーム設計に常識は通用しない。そして、フレームを作るたびに新しい発見がある。
世の中にないフレーム設計ほどときめくものはない。