ショートクランクの共同開発を初めて持ち掛けたのは、2013年であった。
当時まだお元気であった元サンツアー会長・河合淳三氏に相談した。
河合氏は、試乗しながら「今の自転車業界に開発できる人材がいない。 やってみましょう。」と回答
頂いた。
自転車業界で初めて私を受け入れていただいた方である。
当時91歳、技術的な話ができる人は少なかったので、自転車業界から離れた私であったが大阪を訪ねていくと歓迎していただいた。お互いに開発の最新情報を交換する間柄であった。
しかしながら、その後体調を崩され仕事ができない状態となってしまった。ご回復を願っていたのだが
2014年、享年92歳でお亡くなりになってしまった。
私は、ショートクランク第二弾の開発を始めた。それで出来上がったのがエクタープロトンである。
いろんな完成車メーカーに声をかけたが、試乗していただけたのは一社だけであった。
さらに、ショートクランク第3段を開発した。それがLEVELⅡであった。
この自転車が完成する前にようやく、共同開発に手を挙げてくれた会社が現われた。
試乗しに社長含め3名の方が山形までわざわざおいでいただいた。
初対面の私に社長が「是非これを世の中に出しましょう。」との即答をいただいた。
それから9か月、すでに量産試作車まで出来上がった。
あとは、量産最終打ち合わせをして量産に移行するはずであった。
まさか、新型コロナウィルスで足止めを食らってしまうとは。
急遽、日本で作ろうという話が持ち上がった。まあ、裏では動いていたのだが急に忙しくなってきた。
日本製の試作車が来週出来上がる。組み立ては私が東京に出向いて行う。フレームは勿論、クロモリロー付けフレームである。今日塗装が上がってフレームが完成したようである。フレーム重量は中国製アルミフレームよりはるかに軽い。
ハンドルバーは今までにない面白いものを用意している。さて、どうなることやら。
コメント
コメント一覧 (4)
今回はタイミングが悪かったですね。
国産フレームですか、
楽しみですね。
輪行菩薩
がしました
こんばんは。
人生何が起こるかわかりませんね。
ひそかに国産バージョンを裏で進めておりました。
中国での量産だけでは面白くなかったので。
高級車になりますので、はたして何台うれることやら。
中国の心配をしてたら急に日本もやばいですね。
東京に行くときは、宇宙服に酸素ボンベに地下足袋でしょうか。
自転車乗る時はフルフェイスのヘルメットも必要ですよね。
輪行菩薩
がしました
ブログいつも興味深く拝読させて頂いております。
ショートクランク車の販売開始を楽しみにしておりましたが、
武漢肺炎という予想外の出来事で販売が遅れてしまったようでとても残念ですね。
より良い自転車を広く普及させたいと願う輪行菩薩さんのお考えには大賛成ですが、
価格が高くなろうともショートクランクの記念すべき量産車が日本製の高級車になるのは、満を持して世に問うショートクランク車のイメージリーダーとして意味のあることだと思います。
私は量産品であってもその初期型というのは、開発者のメッセージが最も昇華されるものと考えておりますし、いきなり量産しても台数が捌けるものではないと思いますので、国内での少数生産でのスタートのほうが、現時点ではより目的に適っているのではないかと考えます。
一般的に普及品から高級品への商品展開というのはかなり難しいですが、ショートクランク車もハンドメイドの国産車でブランドイメージをある程度確立したあとにベースモデルを販売した方が、商品としての価値も上がるように思います。
故事にもありますとおり禍福は糾える縄の如しです。
とても大変だとは思いますが、これからも開発頑張って下さい。
輪行菩薩
がしました
はじめまして。
応援ありがとうございます。
この自転車は乗っていただかないと違いが説明できない商品です。
乗れば今までの自転車とは全く別世界のものだということが分かります。
いきなりヒットするとは思っていませんが、今までの競技以外の自転車がこの考え方で設計され直す日が必ずやってくると思います。
メイドインジャパンで自転車を作れる時代はもうこれが最後かもしれません。
日本の自転車業界は今年大きなヤマを迎えることになるでしょう。
輪行菩薩
がしました